闇に咲く華ー偽りの華ー



「ん…。」

イタタ…。
行く途中で気絶させられたのね。

さすが、女子どもにも容赦無しの黒龍。
あちこちが痛い。

私のいるここは、牢屋かと思うほどコンクリートの壁だらけ。
唯一光が入る窓も手の届かないところにあるも、脱け出せないように格子が付いている。

さて、どうしようか…。

詩月や仁くんのために咄嗟にとった行動だが、我ながら後先考えなかったわ。

「無鉄砲にも程があるわね…。」

そう呟くと、人の足音が聞こえてきた。

「やぁ、目が覚めたよだね。」

私がここに来る前に会った、黒龍の人。
下っ端達を引き連れていたから、頭かなにかでしょうね。

「恐がらないんだね?ここは黒龍の本拠地なのに肝が据わってる。」

そう言いながら、ニヤリと笑みを見せる気持ち悪い男。
体が痩せこけているから余計に気持ち悪さを増幅させている。

「まぁ、いいさ。きっと勘づいているだろうけど、俺は黒龍の総長の黒木。下の名前は言わなくて良いよね?そんな仲じゃないし。」

「私をここに連れてきて何をするの?」

「部下がやられてしまっては、その下に示しが付かなくてね。君を少々痛め付けたけど、眠らせていたからね。それより、ヤってしまうよりも楽しいことを思い付いてさぁ。」

一体何をしようとしているのか。