「大人しく、その彼女を渡してくれれば良いものの。うちの者に手を上げてるからね。」
私がはっ倒したの知ってるー!?
「だから何だよ。テメェらなんかに結月さん、渡すわけねぇだろ。」
「フン。いつまで吠えてられるかな?」
黒龍の偉そうな人がパチンと指を鳴らすと、手を拘束された。
けど次の瞬間、息が止まりそうなほどの衝撃が来た。
「きゃぁぁ!!」
「詩月!!」
詩月が手を捻り上げられていた。
仁くんは大人数を相手にしながら詩月の方へ行こうと躍起になる。
だめ!
それだと相手の思う壺!
「っ!?」
詩月の手を捻り上げている男が力を強く入れ、詩月は痛みで顔を歪ませる。
「やめて!詩月を話しなさい!!」
「お嬢さんが、こちらに来るのであれば離しましょうかね。今用があるのは、そこのお嬢さんですからね。」
「お姉…ちゃ…ん、だめ!…っ!?」
このままだと詩月がもたない。
腕が折れてしまう…。
きっと私が向こうへ行けば、この人たちは詩月と仁くんには用がなくなり離れるはず。

