「いやよ。何故に?理由をのべよ。」
私は今、怒りを抑えるのに必死です。
何故ならば、時を遡ること30分前。
荷物を纏めて倉庫につき、どの部屋になるのかと話をしていたのだ。
爆弾を投下したのは紛れもなく、"清宮大樹"だった。
「お前の部屋、ここ。」
無表情でそう言った大樹さんが指差す先は、"総長室"。
「ここはあなたの部屋。私が入っていいとこじゃないんじゃなくて?」
そう。
総長室は、代々総長の女のみ入ることを許されている部屋だと先ほど、広治さんこと広ちゃんに教えてもらったのだ。
私は大樹さんの彼女でもなければ、鬼龍とは関係のない人間なのだ。
尚更入れるわけないのに、この人は何故に!?
「お前が俺の彼女になれば問題ないだろ。」
…。
ん?
どうして?
何で?
そうなるの?
「ーッ何言ってるの!?」
「何って、彼女になればっつってんだよ。」
タブレットを見ながら何もなかったかのように話す姿に、開いた口が塞がらない。
この人頭大丈夫?
会ったばかりの得たいも知れない人に"彼女になれ"って言いましたよ?

