闇に咲く華ー偽りの華ー


それは、私の心臓を煩くしてしまう。

ヤバい。
この人には、敵わない…。

「お前をここに置いてやる。」

…ん?

オイテヤル?

おいてやる?

置いてやる?

「な…何言って…。」

私は大樹さんから目を離せなかった。

「チビか何を背負ってるかは知らねぇが、ここまで来たその度胸を認めてやるよ。」

心ごと吸い込まれてしまう…。

「お前を守ってやるよ。どんなことからも。」

…そう感じてならなかった。



「…不器用だなぁ。」

「まぁ、大樹にやっと春が?」

「ま…まじっすか!」

「お姉ちゃん!」

「ほう。これは興味深いな。」

五人は私たちのやり取りをみながら、一人ひとり呟いていた。