「お姉ちゃん、まさか…。」
「…えぇ。蹴散らしました。」
元々、北園で鍛えられた私は、護身術で相手を追い払ったのだ。
それがどうかしたのだろうか?
命に別状はないし、気にすることもないだろうと思うんだけれど。
「だからか。今、黒龍が君を捜している。姐さんと居たのも目撃されたようだ。」
「…と、言いますと?」
「君は黒龍に狙う対象になったということだ。姐さんといたから余計そうなったんだな。」
え!?
狙われる対象に!?
「結構…ヤバイのかしら?」
「ヤバイってもんじゃないよ!さすがのお姉ちゃんでもヤられる…。」
と言われても、手を出してきたのは向こうだしなぁ。
てか何で狙われるんだ?
新顔だから?
莉依さんといたから?
だからってその対象になるのはおかしくない?
ここで足止めをくらうと、私の"計画"が台無しになってしまう。
捕まるのだけは勘弁してほしいものだ。

