「こーんな綺麗な子、誰でも心配するわよね。ねぇ、よくここまで無事でいられたわね。あ、姐さんが一緒だったから無事は当たり前よね。」
やだー、私ったら!と両頬に手を添えながらくねくねと動いている。
さりげなく"いられたわね"と言われた。
そんなに治安が悪いの?
私ったら失礼ね。
それよりも…
「無事?何のこと?」
奥に座っていた、光輝さんがパソコンを閉めてこちらを向いた。
メガネを触りながら。
「…君、ここに来るとき、姐さん以外に誰か会ったりしなかったか?」
莉依さん以外に?
確か…。
「光輝、それじゃーわかるわけないじゃない!結月ちゃん、黒龍っていう奴に会わなかった?。」
「黒…龍?」
「この辺で有名な、タチの悪い奴らが黒龍っす!薬やら恐喝やら、面倒臭いんすよ…。」
あらま。
もしかして私、ヤバいことに巻き込まれそう?

