「いいね?お前が外に出られる条件だ。戻り次第、北園のためにー…してもらおう。」
スーツをビシッと着た男が、綺麗な立ち姿の女に話しかける。
女は頷き、
「…わかりました。」
そう彼女が答えるのを聞くと、満足したのか部屋から出ていった。
「結局私は…操り人形ー…か。」
彼女は涙を流し月を見上げる。
心はどんよりしてるのに、なぜ今宵の月はきれいなのか。
私は闇から逃れることはできない。
操り人形は、主がいなければ動くこともできない。
私は、この家のために操られる。
「大丈夫。まだ壊れてないわー…。」
彼女は涙を拭き、部屋を後にする。
これから彼女、そして出会ったすべての人が北園に巻き込まれることを誰も知らない…。