それから私たちは徐々に2人の時間が増え、自然と相手の時間を知り尽くしていった。

テストの日、授業の時間帯、相手が今何をしているかなんとなくわかるようになった。

私には看護師になるという、小さい頃からの夢があった。その為に勉強も部活動も生徒会も頑張ってこなしてきた。

どれだけ忙しくても、睡眠時間をけずってゲームの時間を作っていた。けれど、私はこの時からゲームではなく、海くんに夢中だったのかもしれない。

そのうち、ゲーム以外でも家にいる間はずっと電話をしていた。塾の目の前に着くまで、次の日が学校でも、もちろんそのまま朝まで電話は繋ぎっぱなし。

ご飯の時もイヤホンをして食べている時もあった。その時は楽しくて周りを見れていなかったのかもしれない。

海くんというなの抜け出せない大きな沼だった。