「なるほど、ドラゴンに卵を任されて、青の洞窟にいくのか」

 穴の中はハヤトが少し身を屈めてやっと通れる通路になっていた。小人は小さな灯りを持って、ちょこちょこと歩いていく。

「ドラゴンの智慧がありゃあ、大概は何とかなるだろうが」
「これのこと知ってるの?」
「ドラゴンが命を任せるときに信頼の証に渡すもんだろ?」

 その言葉に、ハヤトはまじまじとその首飾りを見る。

「とにかく、上はヒトがうるさいからな。地下の通路を通って山の下まで行くといい」
「ありがとう」
「いいってことさ。それより腹減ってないか?」

 そういって小人に連れてこられたのは、ハヤトが背をかがめなくても十分な広さがある空間だった。