ピチャン―――
 何か冷たいものが頬に触れたのに気付いてハヤトは目を覚ます。

 いつの間にか、真っ暗な洞窟の中にいた。傍にいたチカを見つけて、揺り起こしてやる。目が合うとしばらく見つめ合う。そして同時に噴きだした。

 ひとしきり笑い合った後、ふたりは手を繋いでゆっくりと洞窟を出る。

「ゆうやけ、きれいだね、おにいちゃん」
「うん」

 ふたりは祖母の家への道を急ぐ。

 ハヤトのポケットにいつの間にか入っていた青い石は、もう光っていない。