でも毎回毎回、すごく心臓に悪いんだよ……。
澪の寝顔や寝起きで無防備な姿は本当にかわいい。
けど、そのかわいさに浸っていると急にからかってきたりいじわるをしたりするから、油断ならないんだ。
わたしの気持ちも知らないで……。
「紗和、お待たせ」
「ひゃっ、びっくりした……」
「ボーっとしてた?」
澪のことを考えていると、家から出てきた澪に気づかなかった。
後ろから肩をぽんっとされて、心臓が止まるかと思うほどびっくりしてしまう。
「あ、相変わらず準備早いね」
「紗和を待たせちゃ悪いからさ」
「澪がひとりで起きてくれたら解決するんだけどね」
……あ、かわいくないこと言っちゃった。
本当はうれしいくせに。
澪を起こす役割をもらったこと。
一緒に学校へ行けるのもすごくすごくうれしいのに。
どうしても素直になれなくて、かわいくないことを言っちゃう……。


