足りない、もっと。



澪を見つめると、目をそらしながらだけどうなずいてくれた。

元々有紀ちゃんと着物着たいねって話してたんだ。


澪と一緒に自由行動を回れると決まってからも、もちろんそのつもりだった。



「福井くんもいい?」

「いいよ。楽しそう」

「ありがとう!じゃあ、行こう!」


有紀ちゃんを見ると、両手を合わせている。

それには笑顔で返した。

予約したお店まで4人で歩く。


そのあいだも澪はわたしの隣。



「あそこのお店おいしそーだよ」

「ほっほんとですね……」

「あとで行こうよ」

「い、いいですね……」


後ろを歩く有紀ちゃんと福井くん。

福井くんはいつもどおりのチャラさで、有紀ちゃんに話しかけている。


でも、有紀ちゃんはガチガチだ。

がんばれ……!



「あ、ここだよ」


和!って感じの外装。

受付をしてから、着物を選ぶ。



「これかわいい~!」

「有紀ちゃんに似合いそうだね」


たくさんの着物があって、悩んじゃうなぁ。