──♪〜♪〜
スマホが鳴って目を覚ます。
久しぶりにあのときの夢を見た。
おれはもう……。
『澪、おはよう』
「ん。おはよ」
『今日は自由行動で一緒に回れるね!わたし、楽しみであんまり眠れなかったよ』
紗和の明るい声が耳に心地いい。
この声を聞くだけで、すごく癒される。
「そっか」
『うん!早く澪に会いたいな』
電話だからかいつも以上に素直で直球な紗和。
あーほんと、かわいい。
「おれも」
『えへへっ』
おれの返事に嬉しそうに笑う。
いますぐ紗和の顔が見たい。
紗和に触れたい。
少しも離れたくない。
1秒でもおれ以外の男が紗和に近づいてるのが許せない。
昨日の男を見てからずっとモヤモヤしている。
いや、昨日よりもっと前からだ。
おれはもう限界なんだ。
いまのままじゃ無理だ。
ね、紗和。
悪いけど、俺はもう満足できない。