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『……今日一緒にいた男、だれ?』

『え?……あ、同じ委員の人だよ」

『……ふぅん』

『寂しくなったの?なーんて……』

『そうかも』

『へ?』

『おれ、紗和がいないと無理。ずっとおれと一緒にいて』

『うん!ずっと一緒だよ!!』



紗和の笑顔に嬉しくなる。

おれと紗和は同じ気持ちなんだ。


なんでもめんどくさいおれが、こんなめんどくさい感情をもてるのは紗和だけ。


紗和しかありえない。

紗和以外の彼女とかいらない。


だから紗和となら、もっと特別な関係に……。



『紗和、おれ……』

『だって、幼なじみだもんね!』

『え……?』

『わたし、澪と幼なじみでよかった!』



中学2年生の夏の終わり。

紗和の笑顔が初めて残酷に見えた。


おれと紗和は幼なじみだから一緒にいるんだ。


じゃあ、幼なじみじゃなくなったら……?


考えるとこわくなった。

たしかなのはひとつ。

……紗和とこれからも一緒にいるためには、幼なじみじゃないといけないらしい。



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