澪の部屋を出てすぐにふぅ、と息を吐きだす。
まだ、ドキドキが止まらない。
わたしをからかって反応を楽しむなんてよくあることだけど、いっつもわたしは照れてしまう。
真に受けちゃだめだって思うのに、どうしても澪にときめいてしまうんだ。
ゆっくりと階段を降りてリビングに顔を出す。
「お邪魔しました」
「紗和ちゃん、いつもありがとうね。ほんと澪は紗和ちゃんに起こしてもらわないと起きれないから」
澪のお母さんは申し訳なさそうに微笑する。
「紗和ちゃんには悪いなぁと思ってるんだけど、頼っちゃってごめんね」
「わたしは大丈夫なので…!」
「ほんと、紗和ちゃんが幼なじみでうれしいわ」
「えへへ……わたしも、澪と幼なじみでよかったってたくさん思ってます……」
「え?」
「あ、では外で待つので!お邪魔しました!」
わたしの言葉が聞こえなかったのか、澪のお母さんは首を傾げた。