はぁ……。
修学旅行とかめんどくさい。
スケジュールがきっちり決められてるし、団体行動とかだるすぎ。
べつに行かなくても単位に関わるわけじゃないらしい。
だから、行かないでおこうかと思った。
でも、紗和が楽しみにしてたから、おれも行くことにした。
それなのに、紗和とずっと一緒にはいられないみたいで、ふだんの学校よりも会えない。
だる……。
「澪、隣の部屋のやつとトランプするんだけどどう?勝ったら明日好きなもの奢ってくれるって」
「いい。寝る」
「だよな。じゃ、行ってくる」
1日目の夜から元気すぎる瑛介。
こんなめんどくさがりのおれのそばにいてくれるのは、紗和と瑛介だけだ。
紗和も瑛介も、おれと違って明るくて元気だけど、一緒にいて落ち着ける。
「あ、部屋戻るときドア思いきり叩くからよろしく!」
いや、やっぱり瑛介は違うかもしれない。
思い出したように振り返ってデカい声を出すから、眉間にしわが寄った。