澪の透き通るようなきれいな黒目に、吸い込まれるように視線を逸らせない。

心臓が壊れそうなほどに暴れだす。



「み、澪……」

「んー?」

「体、起こして。早く準備しよ」

「動けない」

「えっ!どうしよう……?」

「紗和がちゅーしてくれたら動けるかもね」

「なっ……!」



声にならない声が出る。

だ、だって……ちゅー、なんて……!


澪の発言に目を泳がせていると、ふっと笑い声が聞こえた。


視線を再び澪に定めれば、きれいすぎる不敵な笑顔を浮かべている。



「うそだよ」



そう言うと、わたしの頭をぽんと撫でてから体を起こす。


か、からかわれた……!?


ベッドから降りて部屋着を脱ぎ始める澪。



「ま、待って!わたしが出てから脱いで!」

「紗和が急かしたのに」



慌てて立ち上がったわたしに対して、くすっといたずらに笑う。

余裕な表情にむっとしながら「あとで!」と言ってから部屋を出た。