足りない、もっと。



「16時にテーマパーク入り口前に集合です。それでは、解散」



学年主任の言葉で、それぞれ班で移動を始める。

クラスが遠いから澪の顔を少しも見れなかったな。


でも、まだ今日は始まったばかりだし会えたらいいな。



「紗和、行くよ」

「あ、うん」


有紀ちゃんの声に反応して歩き出す。

事前にリストアップした場所を順調に進むことができている。



「三宅くんすごいね。めちゃめちゃスムーズだよ」

「マップ見れば大丈夫。任せて」

「感謝です!」



前を歩いてくれる三宅くんのおかげで、行きたいところに行ける。

わたしは方向音痴ってほどではないけど、こういうの苦手だから助かる。


この班は三宅くんがいてこそだなぁ。



「ここ、星野が食べたいって言ってたところだ」

「うん!ぜったい食べたかったの。買っていい?」

「もちろん」



おいしいものを食べて、見たい景色を見て、修学旅行って楽しい……!

みんなでそれぞれ違うフルーツ飴を買って食べる。