足りない、もっと。



興奮した様子でわたしを見た有紀ちゃんに、人差し指を口に当てて「聞いて」ってアピールする。

目をキラキラさせて頷く有紀ちゃんは、本当にわたしの恋を応援してくれてるんだなぁって実感した。


そんな有紀ちゃんも喜んでくれるといいな……。



「有紀ちゃんもいるから、澪の友達も誘って4人でどう?って言ったら、わかったって」

「……へ?」



間抜けな声を出す有紀ちゃん。

目を見開いてぽかんとしている。


その表情にわたしは満足して微笑んだ。



「は、春瀬くんの友達って……福井(ふくい)瑛介(えいすけ)くん、だよね」

「うん、もちろんだよ」



澪は有紀ちゃんの好きな人でもある福井瑛介くんとしか行動していない。

そのことは知ってるもん。



「や、やばすぎ……」

「踏ん張って。足に力入れて」

「無理ぃ~……でも、ありがと~!!」

「楽しみだね!」



膝から崩れ落ちそうになる有紀ちゃんを支える。

ここまで喜んでもらえてうれしい。


だいすきな澪と有紀ちゃんと一緒だから、本当にわくわくが止まらないよ。