「澪、おはよう。起きる時間だよ」
「……ん、眠い」
「早く準備しないと遅刻しちゃうよ…?」
寝返りを打って再び布団に顔を埋めようとする澪。
声も本当に眠そう……。
このまま寝かせてあげたいけど、遅刻するのはよくないし……。
「ねぇ、澪」
顔まで上げた布団を軽く引っ張った。
それと同時に、澪の寝ぼけた顔が見える。
か、かわいい……っ!
澪は整ったきれいな顔立ちをしている。
けど、寝起きは悪く朝はいつもこうだ。
目が開かなくて気の抜けたとろっとした表情をしている。
心音がドキドキとうるさくなるのを感じながら澪を見つめる。
「今日は修学旅行のこと決めるから休めないよ」
「んー、もう少し」
「でも……わっ、」
「紗和も一緒に」
いきなり手首を掴まれて引っ張るから、バランスを崩してベッドに乗り上げてしまった。
至近距離で澪と目が合い、いっきに熱が顔に集中する。