足りない、もっと。



むしろ、わたしのほうが澪に会いに行けなくて寂しかったけど、電話する理由ができてありがたいくらいだ。


澪のお寝坊さんに感謝だね。



「なんで紗和が喜んでるの?」

「修学旅行も澪と話せるって決まったらうれしいよ」

「話すだけ?会わないの?」

「え?」

「自由行動は紗和と一緒にいていいんでしょ?」



澪のまっすぐな瞳とセリフに思考停止。

いっきに顔が熱くなって爆発するかと思った。



「い、いいの!?」

「ん」

「うれしい!」



まさか澪から誘ってくれるとは思ってなかった。

しかもそんな当然みたいに……。


どうやって誘おうかタイミングを見ていたのに、こんなにあっさり決まるなんて……!



「あ、でもね、有紀ちゃんもいるからよかったら澪がいつも一緒にいる友達もどう?4人で」

「わかった。言っとく」

「ありがとう」



有紀ちゃん、やったよー!
と心の中でガッツポーズ。

これはがんばらないと!!