「……だるい」
「いまから修学旅行だよ」
「……めんどくさい」
「えー、わたしは楽しみなのに」
修学旅行の朝も、いつもと変わらず澪を起こしに行った。
けど、今日は通常よりも早い時間。
いつも以上にぽわ~っとしている澪と並んで、キャリーバッグをガラガラと引く。
「ふわぁ~……」
ぼんやりとした表情であくびをする澪。
か、かわいすぎる……!
澪って本当に顔は整っててかっこいいのに、仕草とかでかわいさを出してくる。
なんでもできそうな見た目だけど、実は無気力でぼんやりしてるところはギャップだと思う。
かわいいもん。
わたしはどんな澪でも、ドキドキするし、きゅん!ともなるけど。
「修学旅行中はどこでも寝ちゃうのは気をつけてね。なにがあるかわからないから」
「ん」
「心配だよ」
「おれも」
めずらしく澪が同意する。
自分でもわかってるんだ。
じゃあ、大丈夫かな。