足りない、もっと。




「班長どうする?やりたい?」

「私は遠慮しとく」

「わ、わたしも遠慮したい……」

「パス」

「じゃあ、俺か」



みんなが拒否すると、三宅くんが自分を指さす。



「え、いいの?」

「いいよー。俺するわ」

「ありがとう、三宅くん」

「おう!んじゃ、黒板に書いてくるわ」



あっさりと班長を引き受けた三宅くん。


本当にいいのかな?


でも、すごくありがたい。

話したことがないからちょっと緊張していたけど、大丈夫かもって思えた。



それから、班別行動のときに行きたい場所を何カ所かピックアップしてホームルームは終わった。



「修学旅行、楽しみだな」

「おいしいものいっぱい食べようね」

「星野さんってけっこう食べるんだ?」

「紗和はおいしいものに目がないよね」

「有紀ちゃんもじゃん。おいしいものレーダーすごいよね」

「へぇ、じゃあふたりがいたら、おいしいもの食べれるんだ」

「任せて!」