足りない、もっと。



有紀ちゃんに尋ねるもそんな返答。

わたしも有紀ちゃんがいれば、誰でもいいかな。


男の子とあまり話したことないから、こういうときに困る。


……澪も、わたし以外の女の子と同じ班になっちゃうんだなぁ……。


って、また澪のことを考えちゃう。


完全に癖になっている。

澪はこの時間、きっと「だるい」なんて言って、流れに身を任せてるんだろうけど。



「星野さん、川中さん」

「はい?」

「よかったら、俺らと同じ班にならない?」



名前を呼ばれて顔を上げれば、男の子ふたり組が立っていた。

初めて話すクラスメイト。


でも、すごくうれしいお誘いだ。



「私はいいよ。紗和は?」

「うん。わたしも。じゃあこの4人で同じ班になろ」

「よっしゃ!」



声をかけてくれたクラスメイト、三宅(みやけ)くんがガッツポーズをした。


班が決まってわたしもうれしい。

修学旅行がますます楽しみだ。