足りない、もっと。




澪が触れた部分の髪に触れる。


ほんとずるい……。



熱くなった顔を冷ますように両手でパタパタとしながら、自分のクラスへ行く。


澪とはクラスが違うどころか端同士。



また何度目かの悔しい気持ちになる。




「紗和、おはよう」



教室に入り自分の席に行くと、すでに登校してきていた川中有紀(かわなかゆうき)ちゃんが挨拶をしてくれた。



「有紀ちゃん、おはよう」



挨拶を返しながら自分の席に座る。

有紀ちゃんはわたしの前の席で、いちばん仲が良い友達。


小学6年生のときに初めて同じクラスになってからだから、気がつけばもう6年目の付き合いになる。


栗色のストレートヘアがよく似合う元気な女の子。

わたしの自慢の友達。



「今日は修学旅行の班決めとかいろいろあるよ」

「うん。ぜったい同じ班になろうね」

「もちろん。紗和と一緒に決まってる」