その声で名前を呼ばないで




「はじめまして、成田光輝(なりた こうき)です。よろしくお願いします」



梨沙と話してたはずが、突然聞こえてきたその声に耳が支配された。



低くてちょっと掠れた声、なのにどこか甘ったるい。





「・・・むーつーき!声フェチ発動しちゃった?!」


急に黙り込んだ理由も、梨沙にはお見通しみたいで。梨沙を振り向くとニヤニヤして私を見てる。


「おいおい教師はやめとけよー」


私たちの会話を全部聞いてたであろう高野先生までニヤニヤしながらからかってくる。


「違うから!違う!!断じて違う!」


「お前、キャラ変わってんぞ」



焦った私に高野先生が鋭くつっこんできて、それを見た梨沙はケラケラ笑ってた。