その声で名前を呼ばないで

退屈な校長先生の話、熱血な生徒指導の話なんて、きっと誰も聞いてない。



「それでは次に、今年度の担任と教科担当を発表します」



そう教頭先生が言うと、集まった生徒達は一斉にざわつき出した。


教頭先生はもうそれにも慣れっこで、注意することもなく1年生の担任から発表していく。


とは言っても、入学式は始業式の後だからまだ1年生はいないんだけど。



「次、3学年の担任発表です。

3年1組、高野祐希先生」



教頭先生がそう言った途端、私は後ろを振り向いて梨沙とハイタッチした。