その声で名前を呼ばないで




保健室の扉が開く音がして、私は急いで涙をぬぐって、扉とは逆方向を向いた。


誰だろう・・・



「百瀬、これ飲める?」



声の方に顔を向けると、そこにはスポーツドリンクを持った成田先生が立っていた。



「え、泣いてる?どうしたの」


「っ、嫌われたかと思って、」


「そんなわけないでしょ。

嫌いになんてならないから、泣かないで」



そう言って先生は優しく笑った。