6月の最終土曜日、体育祭当日。
雨が降らないか心配だったけど、雲ひとつない空からは太陽が私たちを照りつけてる。
「睦月、大丈夫?」
「大丈夫だよ〜ちょっと暑いだけ」
普段あんまり外に出ない私は、開会式で太陽を浴びてただけで頭がクラクラした。
競技が始まってテントの下に移動しても、収まる気配はなかった。
「ダメだ、ごめん梨沙ちょっと保健室行ってくるね」
「待って、私も行く!」
「大丈夫!1人でいけるから、梨沙こういう行事大好きじゃん」
「そんなの睦月の方が好きだし!」
「ふふ、ありがとう。じゃあ私がお昼も戻って来れなかったら様子見に来てくれる?」
「・・・分かった、ゆっくり休んでね」
まだ納得いかない表情の梨沙をなんとかなだめて、私は保健室に向かった。
