この広い星空の中で僕達は最後の愛の歌を歌った。
それはある夜の事だった、レジャーシートを引きあの丘の上で星空を眺めていた、ここにいたら何かを忘れられる気がしていたから。
僕の隣にはいつも同じ女の子がいる。彼女もまた、何かを忘れるようにしてただひたすらに星空を眺めていた。僕はなんだかその空間が少しだけ嬉しかったのだ。
星空を見終わった後は歩いて家に帰り、現実を見る。そんな毎日の繰り返しだ。そんなことを思いながら僕は通学路を歩く。これも定番だ。そして学校に行きいつもの席に座る。なんてつまらない生活だ。授業もそれなりに聞いていればなんとなくの点数でなんとなくの順位まで行ける。そんなのでワクワクしている人間や一生懸命勉強している人の意味がわからない。うちのクラスには圧倒的中心人物がいる。それは彼、雨宮圭太だ。僕は苦手だ。なぜなら無駄に話しかけてくるからだ。僕も話しかけられたことがある。「君!三浦颯太って言うんでしょ!」と、僕は「そうだけど。」と、自分でもびっくりするぐらい無愛想に答えた。そしたら彼は「君ってわかりやすいね!」と言ってきた。彼に悪気はないだろうけど僕には、「俺の事嫌いなんだろーな」と言う気持ちが伝わってきた。変に気を使われても逆に迷惑だ。僕は友達はいらない。そんな上っ面だけの関係で何が楽しいのかが僕にはわからない。そんなことを考えているといつのまにか下校の時刻を迎えていた。またいつもの道を歩く。またつまらない日常だと思っていた、だが今日は違った。僕の目の前に現れたのはいつも星空を見ている時に隣にいるあの子だ。「あっ」声が出た瞬間僕は咄嗟に口を押さえた。彼女もまた驚きで目を見張っていた。「いつも星…見てますか?」突然彼女がそうゆうものだから僕は「ふぁい!」と変な声を出してしまった。僕は顔を赤らめた。そしたら彼女は大きな声で笑っていた。その日、僕は彼女の笑顔が頭から離れなかった。1ヶ月後僕はテストなどでドタバタしてしまい中々星を見に行くことが出来ず、ついでに言うと彼女にも会えていない。だから今日は会えるかもと期待を乗せて行ったのも事実だ。でもそこに彼女の姿はなかった。僕は小さく肩を落とした。「いやいやいや!彼女のために僕はきたわけじゃない」と自分を否定した。いつもの位置に星空を見上げた。やっぱり星空を見るのはいい。何もかも忘れられる。僕は思った。彼女は何を忘れようとしていたのか。だが、あまり深くは考えなかった。次の日学校から帰っているとまた彼女に出会った。「君!名前…なんて言うの?」彼女は突然言った。僕は「三浦…三浦颯太!…君は…?」と僕も尋ねた、「私は神楽技日向」神楽技日向…容姿からしてすごく似合っている名前だと思った。その矢先彼女が急に「今日私ね、星、見に行くんだ、だから待ってるね!」と言われた。半ば強引だ。だが僕は悪い気はしなかった。だからその夜また星空を見に行った。そしたら彼女が手を振って待っていた。僕らはいつから手を振る仲になったのだろうと思った。「やっほー颯太くん。来るのが遅くて待ちくたびれたよ」と彼女は言った。本当に僕はいつから彼女と仲良くなったのだろうか。「この前さ、学校帰り会ったじゃん?その時にね、あ、この人いつも隣にいる人だ!って思ったの、ずっと颯太くんの事気になってしょうがなかったんだ、だから会った時に君が「あっ」って言った時はびっくりしたよ。私の事気づいてたんだ!ってちょっと嬉しくなった」と彼女は言った、僕はあの時のあの声が聞かれていたのが恥ずかしくて仕方がなかったが、僕も一緒にいて楽しかったのは事実だ。だから「僕も君に気づいた時はびっくりしたよ、僕も隣できみと星空を見ている時はなんだか楽しかったよ」と言ったそしたら彼女は「じゃあ両思いだね!」と言うものだから僕は余計恥ずかしくなったがその気持ちを押し殺して聞いた。「なんで今日は僕を呼んだの?呼ばなくたって大体隣同士で見てるじゃないか」僕は言った。そしたら彼女は「颯太くんはロマンチックなことを言うんだね」と言った。彼女はつくづく恥ずかしい事を言う。「今日は颯太くんに星友達になって欲しくて」「星友達?」僕は彼女が何を言ってるのかが分からなかった。「星ってさ、なんだか全てを忘れさせてくれる気がするの、だから星を見ていた…」彼女は悲しげに言ったが僕はあまり疑問を持たず「僕も何かを忘れさせて現実逃避させてくれる気がする」と言った。そしたら彼女は少し悲しげな表情をした後、「やっぱり颯太くんは私の星友達だ!」と満面の笑みで言うものだから僕も不思議と星友達という言葉に疑問を持たなくなってしまった。次の日から僕たちは星友達として一緒に星を見るようになった、だが、だんだん彼女の来る回数が減っていった。

最近仲良くなった友達がいる、名前は三浦颯太くん、星友達ってことにしたけどずっと気になってた男の子だ。偶然あった時はびっくりした笑 でもそれは運命だって思ったの!だから話しかけた、私運命は信じてなんかないだって私にこんな体を与えたのだものと思っていたけどその日は信じてみることにした。颯太くんはやっぱりかっこよかった!
話しかけた時颯太くんは私を知ってくれてるような気がした。嬉しかった〜、でも最近は彼に会えていない。本当はすっごく会いたい。「颯太くん私のこと覚えてるかなー」と不安になるくらいに…

ある日の放課後また星を見に行くとそこには彼女がいた。あまりよく見えないが少し痩せていてこの前よりもっと白さが増しているように見えた。なにも気づかないふりをして「こんにちは」と話しかけた。そしたらぼーっとしていた彼女が、はっとしたようにこちらを見た。