「よくないですよ。大丈夫です。一人で寝られますので。おやすみなさい」


「こよみ‥‥‥。ノリわるーい」


むーって怒りながら私の方に近づいてくる夏川さん。

ううっ、やめて下さいよ。


「ふぇ!?」


お、思わず変な声出ちゃったよ。急にハグされたから。


「俺、ハグ魔なんだよね。ずーっと弟とハグしてるぐらい」


「そ、そうなんですね。でも、私夏川さんの弟じゃないですよ」


「いいじゃん。ハグしないと寝れない」


「寝れますよ」


「え〜。急に新しい場所に来て慣れてないっていうのに、そんな俺を放って置くの?」


……夏川さんは、口が達者みたいだ。