フフフ…
フフフフフフ…

トントンー
トントントンーー
トントントントンーーー



「…ハイッテ…マスカ…」
「…ハイッテ…マスカ…?」

このトイレに入ってるのは分かっているのよ。
ほら、早く出てきなさいーーー

 

トントンー
トントントンーー


フフフ…
怖がっているのかしら?
しょうがないわね。
じゃあ、ワタシがドアを開けて ア、ゲ、ル…



ガチャーーー
ギー…

夜中の静まり返るドアの音が響くのが、いつ聞いても気持ちが良いわ…

口元を歪め、気合いを入れながらオドロオドロシイ顔をした。
…瞬間ーーー



「ギャァぁぁぁ‼︎」
ワタシ、一目散に逃げた。

な、何で?
何でよ⁇
ワタシが入って行くのを確認した時は、女性1人だったハズ。

ナノニドウシテ⁉︎
ドウシテオトコモイルノヨー‼︎

ハレンチだわー‼︎


トイレに残された男女2人は唖然としていた。



「おかしいわね、ドアがいきなり開いたと思ったら誰もいないわ」
「まぁ、いいじゃないか。俺、ここでお前を1時間も待ってたんだぜ」
「そうね」

ドアを、バタンと閉める。


トイレの花子さんが見たもの、それは
恋人同士のラブシーンだったーーー