「待ちなさい!」
「…へ?僕ですか?」
「あなたがダイチ?」
「は、はい。…まさか」
「お尻を出しなさい」

や、やっぱりかぁぁぁ〜(泣)
また、僕の尻目当てなのかぁ!


「い、イヤです」
「問答無用!さっさと出しなさいよ!」
「はぃぃぃ〜!」

目の前の鋭い瞳を持つ美女の勢いに圧倒され、僕はさっとパンツを下ろして尻を出した。

は、恥ずかしいよーーー


「こ、これがかの有名な、ダイチの尻」

強い視線を尻に受けている事をヒシヒシと感じながら後ろを見ると、カッと目を見開いている美女がそこにいた。

ナンデコンナコトニーーー


突然、美女がその場で正座し瞳を閉じたかと思ったら手を合わせる。


ま、またかーーー

実は僕の尻はとても神々しいらしく、手を合わせて祈ると願いが叶う…と言う噂があるらしい。

何だそりゃ?て、思うだろ?
本当、何だそりゃって感じだよなーーー

はぁー、と大きく溜め息一つ吐き出した。


「ダイチ」
「は、はい?」

もう、いいのかな?

僕は下ろしていたズボンとパンツを上げ衣服を整えた。


「あなたの尻に惚れた!私と結婚しなさい!」
「………は?」

「だから私と…、って恥ずかしい事、何度も言わせないでよ!いいから私と結婚しなさい!ううん、結婚するわよ!」

「は?いや、僕、まだ、高校生…」
「私もあなたと同い年!ダイチはもう、18でしょ?なら、問題ないわ」
「は?問題ある…って何?」

僕の服を引っ張る美女を止めようとするが、力が強すぎて止められない。


「さ、これからお互いの両親に挨拶しにいくわよ!」
「はあぁぁぁー⁉︎」

こうして僕達は、末永く幸せに暮しましたとさ。

メデタシメデタシーーー


いや、まー、本当に今すごく幸せです。

自分の尻に感謝だな。