「ん?何かいい香りがする…、イチゴ?」
「あ!いちごミルク味の飴、舐めてたの。ゴメンね、そっちまでニオイが行っちゃった?」

えへへっと、前の席に座る彼に笑った。

瞬間…
彼の顔が私へと寄せてくる。

あまりにもビックリして目が瞬いた。


彼の吐息が私の唇に触れ、私の顔が真っ赤に染まる。


「な、ち、近いよ!」
「…ん、良い香り。……もっと話して」
「バカッ!」
「ブッ!」

あまりの恥ずかしさに私の手の平が思いっきり、彼の鼻を叩いた。

何よもぉ〜!
何でこの人はいつも私を揶揄うの⁉︎
悶えていると…

ツンッ…

頭を軽く突かれ、チラッと視線を彼へと向ける。

「可愛い」
微笑む彼に、バフンと心臓が飛び出しそうになった。