合コン当日。

オシャレな雰囲気の居酒屋に私たちは来ていた。

「ねぇ、格好変じゃない?」

「かっこいい人だといいなあ」

「1人は私の彼氏だから狙ったらダメだよ!?」

みんながもうすぐ始まる合コンにワクワクしている中私は1人沈んだ気持ちだった。

「やっぱり来ない方がよかったかも⋯⋯」

好きな人がいるのに合コンなんてやっぱり来るものじゃない。

そう後悔しているとお店のドアにかかっていたベルが鳴った。

ドアの方を見てすみちゃんが言う。

「あっ遅いよー?」

それに対し一番最初に入ってきた人が返す。

「ごめん澄空、遅れて」

そう言ったのはきっとすみちゃんの彼氏だろう。

ずっと下を見ていた私だったけれど、さすがに失礼だと思い顔を上げる。

「え⋯⋯」

いるはずのないあの人。

諦めるためにここに来たのになんでいるの、私の好きな人。