「はぁ」


バイトに行くのが心做しか辛い。

七絃と約束をしてしまい、先輩に合コンの話をしないといけないとなると、どうやって話を進めればいいか分からない。



「はぁ」



二度目の溜息をつくと後ろから声をかけられて吃驚した。



「溜息なんて珍しいな」

「わっ!?せ、先輩いつからそこに?」

「んー、今さっき。んで、何か悩み事?」


今、言うタイミングなのだろうか。でも、仕事中にこんな話をするのも気が引ける。


「あの、バイト終わりに話聞いてもらっていいですか?」

「いいよ」

「ありがとうございます」


そう言って先輩から離れ、頭の中ではどう話すかを悩みながらバイトが終わる時間まで考え込んでいた。


「お疲れ様でした」


挨拶をしてお店を出る。


「それで話って?」

「あ、えっ…と」


私は意を決して先輩の目を見て話す。


「あの、合コンをしてくれませんか?」

「はっ?合コン?」

「はい。実は友達に頼まれちゃって、その…出会いが欲しいから先輩に合コンの話をしてくれないかって…」

「水無も来るの?」

「……私は行きません。そういうのは苦手なので」



心臓が大きく脈打つ。