翌日、放課後は七絃とパンケーキを食べに行くという約束をしていたため、七絃に連れていかれ今人気のパンケーキ屋に足を運んだ。


「ここのパンケーキ、めちゃくちゃ美味しいって有名なんだよ!1人じゃ入れないし心細くて、それに怜と来たかったんだ!」


七絃がすごく嬉しそうで良かったと私も自然と笑顔になる。注文をしたものが運ばれてきて食べてみるとすっごく美味しかった。


「美味しい」

「んー、おいしー。また来ようね!」

「うん!」


私と七絃はペロリと平らげてお店を出ると少し散歩を兼ねて歩いていた。


「ねー、怜はいい人いないのー?」


その質問に心臓が大きく跳ねた。


「いないよ」

私は悟られぬように平然を装って答える。


「えー、バイトしてんだったらバイト先で出会いとかあるんじゃないの?」

「全くないよ。七絃の方こそどうなの?」


自分の話になるのがこれ以上耐えきれなかった為、七絃にそれとなく話を振った。


「ないに決まってんじゃん。出会いがそもそもないもんなー。あ、そうだ!」


七絃の閃きに私は嫌な予感しかしない。


「怜のバイト先の先輩って確か高校生だったよね?」

「うん、そうだけ…ど…」

「じゃあさ、合コン組んでくれるようお願いしてくれない?」

「え?」

「だって、私たち女子高だよ?男なんて合コンしなくちゃ出会えないって!だからさ、おねがーい!」


手を合わせて必死でお願いする七絃。

そんな事言われても、先輩にいきなり合コンしたいので…とか言えないしそんなキャラではない。でも、七絃が言っていることもあながち間違ったことではないけど。



「……一応、聞いてみる」

「え、本当!?ありがとう!!」

「で、でも承諾してくれるかは分からないから、断られても文句は言わないでね」

「分かってるって!言ってくれるだけでありがたいと思ってるから」



必死にお願いされて断れない太刀の私は渋々承諾してしまった。