その数分後、どこかの高校の制服を着た男が入ってきた。
そして、真っ先にレジに来て「アレちょーだい」と煙草を指さしている。


「未成年の煙草の販売は行っておりません。お引き取りください」

「えー、ケチ。いいじゃん。買わないと怒られるんだよー」

「すみませんが私には知らないことです」


高校の制服を着て堂々と煙草を買おうとしているのが凄い。なんで、買えると思ったのだろう?

「ってか、皇雅は?」

「え?」

「東雲皇雅。いないの?」


先輩の知り合い?いかにも不良ですという金髪の髪の毛に両耳にはピアスが1つずつ付いているこの人と先輩が知り合いっていうの?

東雲先輩は染めた感じのない茶髪で、ピアスなんて1つもついていない。
普通の男子高校生って感じの人。

東雲先輩は自分の名前を呼ばれたと思い私のところへやって来ると、その不良を見てため息をついていた。


「あ、いるじゃん!」

「何しに来た」

「ちゃんと働いているのかなーって心配できたんだよー。その心配料として煙草ちょーだい!」

「ふざけんな。やるか」

「皇雅までケチ!」

「ケチじゃねーんだよ。さっさと帰れ」

「分かったよー」

拗ねたように店を出ていく不良君。
それよりも、あの不良君と先輩が知り合いだとは思わなかった。

驚きのあまり先輩をチラッと見ると先輩と目が合ってしまった。



ちょっと、気まずい。