コロコロとタルトの上から机に転がり落ちるブリーベリーの果実

「あ…」

「莉子…あんた何してんの??」

「はは…ちょっとぼーっとしてた…」

私は机の上に転がっているブリーベリーの実を見詰めながらふと彼の香りを思い出した

優しくて…落ち着いて…それでいて少し煙草の匂いのする彼…

彼と離れてもう1年以上経っていてすっかり忘れたつもりだった

でも…私の心の隅に残っていた甘酸っぱい思い出はふとした事でコトコトと動き出す