しばらく走って警備をまいたあと、待機しやすい場所のベンチに腰をおろした。みんな、忙しいからか、こちらに視線を向けることはほとんど無い。
──まだ、グラタンさんをどうしたらいいかわからないでいる。
飛行機を待つ? 日付を変えて貰う? だけど……どうしよう。
私たちが迷っていたときだ。
いきなりだった。あちこちのモニターに、グラタンさんの顔が映る。
「もう、取引は嫌……」
グラタンさんが顔を両手で覆うのを女の子が、違うみたいだよと声をかけた。
モニターに映っていたのは、「拉致被害者の情報を提供してください」だった。
「取引所、オンリーの館などが差し押さえられました」
画面に、速報が映っている。
オンリーの館が撮されていた。
薄暗いカーテンに幾重にも覆われた入り口。変な坪や等身大の人形などの置物が入り口にずらりと並べられている。
「いらっしゃい」
小太りの蝦蟇のような男が、顔をテカテカさせながら、撮影者を迎え入れていた。
「いい石が入ってるよ……買うかい」
違法な取引が行われている、オンリーの館……行くかもしれなかったところ。でもどのみち、便宜をはかれるような大金は持っていない。
入り口前の、坪の上で蛙が跳ねた。
片足を上げ、まるで挨拶するみたい。
「よぉ、アサヒ! 元気にしてるかい」
聞こえたその声に、アサヒが吹き出す。
「──まだいたのかよ」
──まだ、グラタンさんをどうしたらいいかわからないでいる。
飛行機を待つ? 日付を変えて貰う? だけど……どうしよう。
私たちが迷っていたときだ。
いきなりだった。あちこちのモニターに、グラタンさんの顔が映る。
「もう、取引は嫌……」
グラタンさんが顔を両手で覆うのを女の子が、違うみたいだよと声をかけた。
モニターに映っていたのは、「拉致被害者の情報を提供してください」だった。
「取引所、オンリーの館などが差し押さえられました」
画面に、速報が映っている。
オンリーの館が撮されていた。
薄暗いカーテンに幾重にも覆われた入り口。変な坪や等身大の人形などの置物が入り口にずらりと並べられている。
「いらっしゃい」
小太りの蝦蟇のような男が、顔をテカテカさせながら、撮影者を迎え入れていた。
「いい石が入ってるよ……買うかい」
違法な取引が行われている、オンリーの館……行くかもしれなかったところ。でもどのみち、便宜をはかれるような大金は持っていない。
入り口前の、坪の上で蛙が跳ねた。
片足を上げ、まるで挨拶するみたい。
「よぉ、アサヒ! 元気にしてるかい」
聞こえたその声に、アサヒが吹き出す。
「──まだいたのかよ」



