「──恋愛総合化学会は、恋愛を研究する機関の中枢。
内部にいれば、44街がやろうとしている恋愛、という宗教の秘密を暴けると思ったの。あなたたちの、やっている、スキダ狩り──それに利用している粉、あれが恋を引き起こすのならそれがあんな違法な形で知られたら…………」
「けどっ、スキダを狩れば、告白が始まらない。告白が始まらないなら、恋愛は始まらないんだ、他に方法があるっていうのか?」
「……恋愛が、始まらないと総合化出来ない。総合化して、恋愛というシステムを平等に享受しさえすれば、やがてこんな苦しい世界はなくなる! 蔑んだ目を向けられ、犬を殺さなくていいんだ!」
「でも──このまま突き合う人たちを、見てろっていうの!?
告白を見てろっていうの!?
めぐめぐだって、観察してまで恋愛をさせたいってこと? 恋愛総合化学会はそれで得た幸せでいいのか、万本屋は、それで!!」
わかんないよ。
わかんないよ。
だけど、心は、私のものだ。
家族も、友達も、関係ない。
揺さぶったって、心は手に入らない。
「自分の気持ちは、自分で決める。それだけだよ」



