椅子こん!

 ――目を覚ます。
もうすぐ着陸するというアナウンスが聞こえている。窓際の席でしばらく景色を見ていたはずの女の子もいつの間にかすやすやと眠っていた。
ちらっと後ろを見る。席の間から、わずかに、アサヒが眠っているような気配を感じる。
間近で他人が眠っているのって、なんだか初めてで、その無防備な姿に妙に緊張する。
窓の向こうの景色は、そろそろ朝になるらしい。遠くの方に、だけど、少しずつ近づいて、知らない島が見える。
 ビルが立ち並び、44街とは違った賑わいを見せる街……



     生まれて初めて、ついに、44街の呪縛から、抜け出した。


なぜ自分が44街に縛られているのかずっと、わからないままでいた。それを、わからないことすら気づいていなかった。

 独りよがりの自分勝手なんだと決めつけていた。


誰が、そう言った? 誰がそう思わせた?


――諦めることがカッコいいだとか 今っぽいとか そういうのは本当にどうかしている。



私はただ、戦えばよかった。