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「あーあ、また、貴重なヘリが飛んでいく。上役は、この件はきちんと監督しております!早いうちに処罰いたします!
って報告してたのに……いいのかねぇ」
「しょうがないだろ、ギョウザさんが懇意にしているヨウさん絡みとなれば、俺ら観察屋も44街の花として散っていくのみよ」
「でも、あの放送のおかげで、学会側にも疑惑が掛かり始めている。上役はまた!世界トップクラスの方々へ弁明、謝罪に行かなければならなくなるらしい」
「マジ?なんかすでに、善いコトしても悪事をしても、押しても引いても、地獄って感じだな………」
「市民代表の市長らと世界トップクラスの方々が会って、あの件の謝罪の席を設けてたらしいぞ。それに虐待援助に繋がる迫害を学会がやっていたというのは本当なのかと質問を受けていたって話もある」
「えー。俺らの行く先々、すべてチェックされてるはずだけどいいの?」
観察屋は、ハクナの指揮下の恐喝のための専門部隊。設立当初、ただ市民を見守る程度だったはずの部隊ともいえぬヘリの群れは、大戦後、学会にキムの手が学会に渡るようになる頃には完全に悪い流れにのっとられていた。
やっていることは脅迫といえども、ほとんど悪質な虐めであり、殺人と変わらない。
それゆえ観察屋のヘリの格納庫にはときどき、こっちをにらみ続ける霊が出るといわれていた。充血した目、口は一文字に食いしばり、亡くなった時と、同じ、痛ましい姿で「……あなたの後ろにいるわ……」と声がするのだという。
彼女は続けて『こんな顔ではあの人に会えない』と言い姿を消すらしい。それは学会がかつて絶望に追いやり、自殺させた女性かもしれなかった。
「今回の任務もさー。迫害被害の追い風にならない?」
逆にバレて荒立ったらいくら学会を応援していた人でも、この場面では死活に関わる大問題になる。当然やったヤツを恨むはずだ。
下手に言い訳しても恨まれるだろうし……君子危うきに近寄らず!
「とにかく俺らは迫害被害の噂の動きを見る! 空気を読んで!…細心なる注意を払っていきましょう! それに」
「それに?」
「いざとなればパワハラだ。学会幹部より上が、名誉毀損内容を言う分には、上が庇ってるだろとお叱りを受ける。
だが、やつらより下のモンがこの名誉毀損内容を発信しちまうと世論は、学会側の命令だろ! と思う。そして幹部側がバッシングをうけるって寸法さ」
「怖くて怖くて怖くて、守り入りたくなるのはわかるが、まだ今は我慢!
不安に視界を曇らせない。じゃないと死活問題に巻き込まれちまうぞ! 気をつけてお願いします!」
「了解!」
44街に今日もヘリが飛んでいく。青い空に、哀しい線を描いていく。
「あーあ、また、貴重なヘリが飛んでいく。上役は、この件はきちんと監督しております!早いうちに処罰いたします!
って報告してたのに……いいのかねぇ」
「しょうがないだろ、ギョウザさんが懇意にしているヨウさん絡みとなれば、俺ら観察屋も44街の花として散っていくのみよ」
「でも、あの放送のおかげで、学会側にも疑惑が掛かり始めている。上役はまた!世界トップクラスの方々へ弁明、謝罪に行かなければならなくなるらしい」
「マジ?なんかすでに、善いコトしても悪事をしても、押しても引いても、地獄って感じだな………」
「市民代表の市長らと世界トップクラスの方々が会って、あの件の謝罪の席を設けてたらしいぞ。それに虐待援助に繋がる迫害を学会がやっていたというのは本当なのかと質問を受けていたって話もある」
「えー。俺らの行く先々、すべてチェックされてるはずだけどいいの?」
観察屋は、ハクナの指揮下の恐喝のための専門部隊。設立当初、ただ市民を見守る程度だったはずの部隊ともいえぬヘリの群れは、大戦後、学会にキムの手が学会に渡るようになる頃には完全に悪い流れにのっとられていた。
やっていることは脅迫といえども、ほとんど悪質な虐めであり、殺人と変わらない。
それゆえ観察屋のヘリの格納庫にはときどき、こっちをにらみ続ける霊が出るといわれていた。充血した目、口は一文字に食いしばり、亡くなった時と、同じ、痛ましい姿で「……あなたの後ろにいるわ……」と声がするのだという。
彼女は続けて『こんな顔ではあの人に会えない』と言い姿を消すらしい。それは学会がかつて絶望に追いやり、自殺させた女性かもしれなかった。
「今回の任務もさー。迫害被害の追い風にならない?」
逆にバレて荒立ったらいくら学会を応援していた人でも、この場面では死活に関わる大問題になる。当然やったヤツを恨むはずだ。
下手に言い訳しても恨まれるだろうし……君子危うきに近寄らず!
「とにかく俺らは迫害被害の噂の動きを見る! 空気を読んで!…細心なる注意を払っていきましょう! それに」
「それに?」
「いざとなればパワハラだ。学会幹部より上が、名誉毀損内容を言う分には、上が庇ってるだろとお叱りを受ける。
だが、やつらより下のモンがこの名誉毀損内容を発信しちまうと世論は、学会側の命令だろ! と思う。そして幹部側がバッシングをうけるって寸法さ」
「怖くて怖くて怖くて、守り入りたくなるのはわかるが、まだ今は我慢!
不安に視界を曇らせない。じゃないと死活問題に巻き込まれちまうぞ! 気をつけてお願いします!」
「了解!」
44街に今日もヘリが飛んでいく。青い空に、哀しい線を描いていく。



