あのね、先輩



卒業式の前日


いつものように図書室で勉強を教えて貰ってた


眠くなった先輩が、髪を触り出した頃



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
       眠い            
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ルーズリーフの余白に汚い字で、珍しく声を掛けてきた先輩


それが嬉しくて、私もルンルンで返す



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
   先輩、眠くなったら髪の毛触るの
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
   クセですか?            
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー     
   ……よく気づいたね、変態だ      
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



クスリと笑った先輩に、私も笑い返す


先輩のこと、沢山知れました



先輩は私のことどれくらい知っててくれますか?


私といて、楽しいかな?




…………先輩、明日でお別れ?




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
     好きです            
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




何の文脈もなく


震える手で書いた字は、先輩の字よりも汚くて、情けなくて




先輩の顔は見れなかった