「ねぇ、先輩」
「ん?」
きっと、こんなに感情を伝えてくれたのは初めてだし、今日で勇気を使い果たしたであろう先輩の代わりに
そっと先輩の頬を両手で包んで背伸びする
「…っ!?さ、咲」
「大好きです!!」
そう言って笑えば、昔のように柔らかく笑った先輩の顔が近づいておでこがぶつかる
「………俺も、もう離れないから」
「ほんとかなぁ?」
「ほんと」
クスクスと笑った私の頭に手を添えて、言う
「ずっと側にいる」
初めて彼から貰った体温は、とても優しくて
お互い赤くなった顔をからかって
今日も、図書室で彼の不器用な字を眺めた
*.*・END


