咲のその言葉で全てがわかった
やっぱり見られてたんだ
………まじで、あの女潰す
そんな憎悪を一旦置いておいて、すぐに誤解を解こうと、ベッドから降りた彼女を引き留める
「咲」
「先輩、ごめんなさい。私
……………もう、先輩とは会いたくないな」
また、昨日のように笑った彼女はすぐにいなくなってしまった
当たり前だ
散々冷たくしておいて、キスは未遂だったからまたやり直そうなんて
都合が良すぎる
それでも離してやれない
離したくない
『私、先輩の字、好きですよ!きったない字!不器用な先輩にそっくり』
まだ中学生の時
咲に言われたこと
まだ少しの希望があるなら
君を手離さなくてもいいのなら
もう一度君と