棲みついた野良。

「おい、灯ちゃん」

「何用です、焔君」

「そろそろ、ここを出て行け」

「気が向いたら、そうするわ」

「いつまで、それを言う気だ」

「ここに飽きる頃には考えるわ」

「早くしろ」

「急かさないで」

「里心が付く前に」

「そんなものは有りはしないわ」

「何故、そう言い切れる」

「あたしは宿を借りているだけだもの」

「そういう事情ならば、構わないが」

「杞憂ね」