また親が買ったんだろ、と溜め息を吐きながら何気なく表紙を開いた。

その話は、ずっと昔。
どれぐらい昔か分からない程、昔。
この地に孤独な人形技師がいたという。
その人形技師がある一体の人形を造った。
人形は主をマスターと呼んで親しみ、
人形技師に恋心を抱くようになった―――