「あっ……いえ、以前から許婚だと聞かされていたので」
「ああ、そうみたいですね。私は最近知って……こんな自分でいいのか不安になるんですけど」
「いえいえ、ちひろ様はそのままで十分です。そのままのあなたで坊っちゃんに接してくださいね」
なんだか私の事をすごい理解してるみたいな言い方だ。
私なんて何の価値もない女なのに。
家まで送ってもらい、玄関に入ると義父の靴がなくてホッとした。
顔を合わせるだけでストレスだから。
リビングにある薬箱を漁ってると、咲が階段を降りてきた。
「おかえり!海楽しかった?」
「うん、でも足傷めちゃって……」
「え?どこ!?」
心配そうに私の元へ駆け寄る。
「捻挫しちゃったんだよねーだから途中で帰ってきちゃった」
「大丈夫!?私が湿布貼ってあげようか」



