「ちひろ様は坊っちゃんの婚約者様ですよね?」
「え!?あ、はいっ」
急に運転手さんに話しかけられ驚いた。
「あ、突然申し訳ありません。わたくし坊っちゃんの運転手兼執事をさせていただいております、小田と申します」
信号で止まったときに振り返って頭を下げられた。
40代くらいの感じの良い男の人だった。
執事とかって……本当にいるんだ。
改めて天馬くんの家ってすごいなと思った。
「坊っちゃんはわかりづらいところもありますが、根はとてもお優しい方なのでどうか末永く仲良くしていただけると幸いです」
末永く……か。
数年間だけなんだけどな。
「はい……最近まで全然天馬くんのこと知らなくて……」
「さようですか、坊っちゃんはちひろ様のことを存じ上げてましたよ」
「え?」



